みんなの法律相談所窓口・元自衛官の法律家が法律で人を助けます

東京で一番プロの専門家・職人の無料相談・面談受け付け03-6265-6349

スルガ銀行の不正融資を検証する かぼちゃの馬車 スマートディズ・・何なのか 記事転載

以下記事転載https://www.data-max.co.jp/article/24716/1/

2018年09月05日 16:17

スルガ銀行の不正融資を検証する(前)

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」など、投資用不動産関連融資で不正が相次いでいるスルガ銀行(本店:静岡県沼津市)が危機に直面している。【表1】を見ていただきたい。

<この表から見えるもの>
スルガ銀行創業家が歴代頭取を世襲しているのがわかる。岡野光喜頭取は31年間トップを務めていたが、2016年6月、その座を米山明広頭取に譲り会長に就任。しかし実権はそのまま保持し続けているのが実態だ。
スルガ銀行は、1887年(明治20年)に岡野喜太郎が結成した共同社を前身として、1895年(明治28年)に設立された(株)根方銀行が源流である。翌年商号を(株)駿東実業銀行とし、1912年(明治45年)7月19日に(株)駿河銀行に商号変更。その間、地方銀行信用組合を吸収合併し長らく駿河銀行の名で親しまれていた。

~岡野光喜頭取の登場~
◆1985年、岡野光喜専務が創業家出身5代目の頭取に就任すると経営方針を変更。今まで花形部門であった法人融資から個人向け融資に切り替えたのだ。【表2】を見ていただきたい。
<この表から見えるもの>
◆その方針を行内外に示すために、1990年に駿河銀行からスルガ銀行へ表記を変え、2004年10月1日に現在のスルガ銀行に商号変更している。カタカナの銀行にしたのは、先進性を標榜する岡野光喜頭取(当時)が、行内で絶対的な権力を掌握したことを意味する。
・筆者もある地方銀行の貸付係として融資を担当したことがある。取引先の担当者はプロであり、求める資料をきちんと提出してくれるし、融資ロットも大きい。しかし個人は説明しても理解を得られないことも多く、しかも住宅金融公庫との抱き合わせであり、苦労したことが思い出される。
◆個人融資に特化することは口でいうほど容易ではなかったと思われる。創業家出身でかつ大株主であったからこそ行内で異を唱えるものもなく、経営方針の変更ができたといえよう。
◆近年はカードローンに注力し、住宅ローンやアパート建築などの不動産融資の二本立てで融資を推進した結果、個人向けの貸出比率は9割を超えている。
個人取引に特化した独自のビジネスモデルで5期連続最高益を上げて地銀の優等生となった。
【表3】を見ていただきたい。

<この表から見えるもの>
スルガ銀行の2017年3月期決算の経常利益(一般企業の営業利益に相当)は571億円。地銀64行のなかで、横浜銀行の873億円、千葉銀行の700億円、福岡銀行の601億円についで堂々の第4位である。森信親金融庁長官が「地銀のモデル銀行」としてお墨付きを与えたのは、この好業績が背景にあったからといえよう。
◆しかし昨年から不正融資の実態が次々と明らかになってくると、18年3月期の決算は一転して悪化。経常利益は前期比▲281億円の290億円(▲49.2%)。当期利益も前期比▲224億円)の192億円(▲53.8%)と5割を超える大幅な減益となった。
・収益が大きく減少したのは、同行の営業部門において収益を追求する姿勢が強くなり過ぎた結
果、それが審査書類の改ざんなどにつながったようだ。その最大の要因として挙げられるのは、創業家が歴代頭取を120年あまりにわたって世襲。絶対的な権力を掌握してきた弊害が、ここに至って一気に噴き出したということではないだろうか。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】



https://www.data-max.co.jp/article/24736

2018年09月06日 13:50

スルガ銀行の不正融資を検証する(中)

 シェアハウス投資関連などへの不正融資が問題となっているスルガ銀行が、創業家の複数の関連企業に500億円弱を融資していることが新たにわかった。
 今春からスルガ銀行を立ち入り検査中の金融庁は、創業家出身者が代表を務める実態のない企業も含まれている可能性もあるとして、企業統治(ガバナンス)が機能不全になっているとみて問題視し、実態の解明を急いでいるという。

~主要株主名簿について~
【表1】を見ていただきたい。スルガ銀行有価証券報告書に記載されている18年3月末の主要株主名簿である。

<この表から見えるもの>
◆太字は創業家の資産管理会社・関係会社と推測されている。上位株主10社のうち、4社が入っている。その議決権比率は合計すると15.46%となっており、その比率は高い。
創業家の関連企業とスルガ銀行との関係にメスが入れば、スルガ銀の株主構成にも影響を与える可能性が出てくることになりそうだ。

~株価について~
【表2】を見ていただきたい。
スルガ銀行の昨年8月末の株価は2,352円。また今年の最高値は1月10日に付けた2,544円だった。しかしシェアハウスへの不正な融資が問題視されるにつれて、株価は急落していった。1月末は何とか2,000円台をキープしたものの、2月末は1,764円。3月末は1,469円と毎月末は下落していったのがわかる。7月末は1,000円台だったが、8月に入るとシェアハウスへの不正な融資が表面化すると株価は一気に下落。8月23日には今年の最安値563円を付けた。9月5日の終値は603円(前日比+23円)だったが、弁護士で構成する同行の第三者委員会は9月7日に、不正に関する調査報告書を公表することにしており、その内容次第では株価は大きく変動することになりそうだ。

金融庁が不動産向け融資の総額や審査体制などの調査を検討~
スルガ銀行のシェアハウスなど投資用不動産関連融資をめぐり、審査書類の改ざんなどの不正が横行した問題を受け、金融庁は全国の地方銀行を対象に不動産向け融資の総額や審査体制などを調査する検討を始めた。
 そんな矢先に、アパートの施工・管理を手がける(株)TATERU東証一部)がアパート投資(1億1,000万円)を希望していた投資家の融資を受けやすくするため、預金残高23万円を623万円に改ざんし、業務提携している西京銀行(本店:山口県周南市/非上場)の融資審査を通りやすくしていた事実を日経新聞が8月31日に報じると、同日、会社側はこれを認めるリリースを出した。
◆それを受けて9月3日のTATERUの株価は【表3】の通り、前日比▲400円の1,206円。そのためTATERUは9月4日、弁護士を主体とする特別調査委員会を設置したが、下げは止まらず同日の株価は前日比▲300円の906円。そして昨日5日の終値は前日比▲150円(ストップ
安)の756円となっており、スルガ銀行の株価と同様、目が離せない状況が続くことになりそうだ。

<まとめ>
スルガ銀行は、「かぼちゃの馬車」を代表とするシェアハウスにほぼ独占的に融資を行ったことが不正融資につながった。一方TATERUも、投資家への融資をほぼ独占的に西京銀行へ持ち込んでいたといわれる。今のところ、一件だけ預金残高の改ざんが行われたことが確認されているが、はたして銀行全体または支店全体で関与していたかは今のところ不明である。
スルガ銀行静岡県内で静岡銀行に次ぐ二番手銀行で銀行。西京銀行も山口銀行につぐ二番手銀行であることが、不動産融資に走らせた大きな要因と見られる。
 昨年6月、西京銀行の平岡頭取と対談。6月15日から3回にわたり「お客さまのメリットを最優先に「さすが西京」を目指す」を3回にわたり連載したが、対談のなかで、「福岡ではワンルームマンションを中心としたローンの取り扱いが主になっています。」と述べていた。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

 ――県外の戦略についてはいかがですか。

▲平岡英雄西京銀行頭取

 平岡 昔から広島県、福岡県に店舗を出していますし、私自身、今も両県を行き来しています。以前は福岡、広島は融資店舗として位置付けていましたが、今は変化しています。他県では、地元金融機関との競合が厳しいため、中途半端な体力では大きな企業さまとはお付き合いがしにくい状況にあります。そうなると、対象は中小零細企業ということになりますが、そこにはどうしてもリスクがついて回ります。悩ましいところですね。
 ですから、福岡ではワンルームマンションを中心としたローンの取り扱いが主になっています。ワンルームマンションは、従来は銀行からすると投機的なものという認識がありました。しかし、こちらも競合が激しくなってきています。事業への融資が難しいからローンの取り扱いが増えたのですが、今はそのローンも厳しくなってきています。次に何をしようか、有効な手立てが見出せない状況があります。

※クリックで拡大

インベスターズクラウドおよび子会社TATERU Funding
西京銀行との業務提携検討に関する基本合意書を締結

アプリで始めるIoTアパート経営「TATERU Apartment(タテルアパートメント)」の開発・運営を行う(株)インベスターズクラウド(本社:東京都港区/代表取締役:古木大咲/証券コード:1435、以下当社)と子会社である(株)TATERU Funding(代表取締役:村上哲也、以下TATERU Funding社)は、(株)西京銀行(本店:山口県周南市代表取締役頭取:平岡英雄、以下西京銀行)と不動産投資型クラウドファンディングの共同事業化の業務提携検討に関する基本合意書を締結いたしましたので、お知らせします。

◯ 不動産投資型クラウドファンディングの共同事業化の業務提携検討に関する基本合意書を締結
当社では、2016年4月より不動産特定共同事業法に基づく不動産投資型クラウドファンディング事業「TATERU Funding」を開始し、本日までに20ファンドの運用(内、10ファンドは運用終了)を行っております。2018年1月4日には「TATERU Funding」事業のさらなる拡大および提供商品の多様化を図るため、子会社としてTATERU Funding社を設立し、不動産特定共同事業許可取得のほか、新たに第二種金融商品取引業投資運用業へ登録するため準備を進めております。
西京銀行では、銀行業務を支えるIT環境のセキュリティ強化や、他業界と連携しIoTを活用した新サービスの開発・導入など、フィンテック領域において積極的な取り組みを行っております。
このたび、西京銀行との業務提携検討に関する基本合意書締結は、下記業務提携内容について検討するものです。

<本合意書により検討する業務提携内容>
・不動産投資型クラウドファンディングの共同事業化
・専用インターネット支店開設による新たなサービスのご提供
西京銀行から当社グループへ人材の出向派遣

(株)インベスターズクラウド(現・(株)TATERU)のホームページより抜粋
https://www.data-max.co.jp/article/24776/1/

2018年09月07日 15:54

スルガ銀行の不正融資を検証する(後)

 

 地銀の数が多いのは福岡県で、第一地銀が4行(福岡銀行・西日本シティ銀行・北九州銀行筑邦銀行)、第二地銀が1行(福岡中央銀行)の計5行。次が大阪府(第一・第二地銀2行ずつ)と静岡県(第一地銀3行・第二地銀1行)で計4行。
 福岡県の人口は5,110,839人。大阪府は8,826,524人。静岡県は3,658,657人。パーヘッドで見れば福岡県は約102万人。大阪府は約220万人。静岡県は約91万人で100万人を割るオーバーバンキング状態で、【表1】の通り、金融の激戦区となっている。(いずれも2018年8月1日現在の推計人口)

静岡県地銀(4行)の預貸金について~  【表2】を見ていただきたい。
<この表から見えるもの>
静岡銀行清水銀行の本店は静岡市にあり、スルガ銀行静岡中央銀行沼津市にある。
◆18/6月期の貸出金を見ると、トップは静岡銀行で前年比+2,851億円の8兆3,180億円(+3.5%)。2位はスルガ銀行で前年比▲935億円の3兆1,504億円(▲2.8%)。3位の清水銀行は前年比361億円の1兆1,095億円(+3.4%)。4位は静岡中央銀行で前年比131億円の4,821億円(2.8%)。静岡銀行など3行は前年比プラスだったが、スルガ銀行はシェアハウスへの不正融資の影響を受けて大きくマイナスとなっている。
静岡銀行など3行は個人ローンの表記を消費者ローン(内訳は住宅ローン・その他 ローン)としているが、スルガ銀行は個人ローン(内訳は有担保ローン・無担保ローン)としている。消費者ローンの比率が90.7%あるため、消費者ローンと記載すると、スルガ銀行自体が消費者金融会社と間違われることを懸念しての表記と見られる。
静岡銀行の消費者ローンは前年比+1,583億円の3兆1,390億円。一方スルガ銀行は前年比▲744億円の2兆8,573億円と大きく減少。17年6月期の静岡銀行は2兆9,807億円でスルガ銀行は2兆8,573億円と肉薄していたが、大きく差をつけられているのがわかる。

スルガ銀行の貸出金について~
【表3】、【表4】を見ていただきたい。ともにスルガ銀行貸出金の推移表である。
<これらの表から見えるもの>
◆【表3】は1年間の貸出金の動きである。「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズの倒産を含めシェアハウス問題が表面化したため、個人客が離れていったことが見える。
◆【表4】は過去の貸出金推移表である。個人融資に特化し順調に貸出金を増やしていった形跡が残っている。しかしシェアハウスをめぐる不正融資が表面化すると、一転して経営危機に見舞われる事態となっている。

静岡県の地銀(4行)の収益状況および純資産について~
【表5】、【表6】を見ていただきたい。
<これらの表から見えるもの>
◆【表5】から見えるように、スルガ銀行の2017年3月期当期純利益は426億円で、大きく減益となった静岡銀行の292億円に大差をつけているのがわかる。しかし2018年3月期は210億円と半減している。19年3月期は250億円を予定しているが、赤字転落を含め予断を許さない状況も予想されている。今までは経営統合する側だったが、今後は経営統合される側に回ることになりそうだ。
自己資本比率は4行とも10%を超えており、国内基準の4%を大きく超えている。

<まとめ>
 日銀のマイナス金利政策が続いているうえに、金融機関の競争が激化し、貸出金利は低下する一方の金融情勢のなか、スルガ銀行西京銀行は収益を上げるため、不動産関連融資をせざるを得なかったのではないだろうか。今後、第3、第4の銀行が出てくるのではないかと危惧されている。日銀から見放された多くの地銀は、ふくおかFGと十八銀行経営統合が承認されたことから、安心して金融庁を頼って経営統合に走ることになるのではないだろうか。

(了)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

※クリックで拡大